府中宿から順調に行程をクリアしているブロンプトン東海道五十三次の旅day5。鞠子宿でとろろ汁を食べたい気持ちを抑えつつ、折りたたみ自転車ブロンプトンに跨って、次の宿場へ向かいます。ただこの先は峠越え。覚悟を決めて進みます。
ルート案内「8kmの峠越えコース」
岡部宿から鞠子宿の間は約8kmの峠越えコースです。間にある宇津ノ谷峠は東海道では珍しく、かなり楽にクリアできる峠だと思います。ただ坂の傾斜それなりにあるので覚悟して進んでください。峠をクリアすれば、あとは快適に進むことができます。
見所は宇津ノ谷峠にある明治のトンネル。苔むしたレンガが歴史を感じさせてくれます。また岡部宿では浮世絵と同じ風景を楽しめます。
宇津ノ谷峠へ向けて出発
鞠子宿の横を流れていた丸子川に沿って、緩やかな上り坂を快適に進みます。
国道1号線と合流です。山も見えてきて、峠に向かっているという感じがしますね。
看板に名古屋の文字が。自転車が壊れるまでと思ってましたが、かなりのところまで来ました。
かなり山に近づいてきました。結構険しそうな気がしますね。
ここで一本の松が見えてきます。
東海道に生えていた松の生き残りのようです。名残の松は、今も行き交う旅人を見つめています。
本格的な峠道に差し掛かる前に、道の駅がありました。とはいえ、中を見ている余裕はなさそうなので、写真のみ。
道の駅に看板があったので見てみました。
宇津ノ谷峠って昔からいろんな和歌や紀行文に載っているそうです。旧東海道はガチの山道だから回避。明治に作られたトンネルがあるらしいので、そちらの方に向かいます。
道の駅から峠道へ行くには前に見える陸橋を渡って、国道1号線を横断。そして旧街道に入ります。
いよいよ本格的な登りがスタート。前のロードはスイスイ登って行きますが、ブロンプトンには徐々に厳しい道になります。
峠に差し掛かる前にある集落の中を東海道は通ります。写真の左の道を直進。
この集落は峠前に並んでいた茶屋などがあった場所だそうです。古い家があり、ここもカンバン方式で昔に何があったのかを再現しています。道路は石畳でキレイに舗装されていますね。
傾斜があるところは階段になっているので登りやすいです。昔は違ったんだと思いますが。この辺りから本格的な峠道に。
旧東海道はこのような山道のようですが、さすがにブロンプトンではいけないので、明治時代のトンネルを目指します。
集落もなくなり山道へ。ただ明治のトンネルが観光地のため、ちゃんと舗装された道路になっています。傾斜があるので、自転車を降りて押しながら進みます。
明治時代のトンネルを通過
こちらがトンネルですね。明治時代に峠をショートカットできる道として作られたようです。苔むしたレンガが歴史を感じさせてくれますね。
トンネル内部です。レンガが積み上がっている状況がわかるでしょうか。
トンネルを出るともう少しだけ登りが続きます。この先がトンネルルートの峠の頂上です。
アスファルトで舗装された道に出たので、ここからはスピードアップ。一気に峠道を降ります。
Goproの映像から切り出した写真です。登ってるぽく見えてますが、降ってます。先の方にポツポツと民家が見えてきました。
急激な下りもここでひと段落。まだ下り坂は続きますが、峠は越したようです。ここで県道208号線と合流し、岡部宿へと向かいます。
岡部一里塚
左手に岡部茶というお茶を売ってるお店があります。この辺りにも一里塚があったそうです。
あるのは看板だけですね。一里塚跡のようなものは発見できず・・・
しばらく進むと、こんな山の中にポスターを貼った変なお店が現れます。
おもちゃ屋さんというか模型屋さん?フィギュアを売っているみたいなんですが、こんな山の中で売れるんでしょうか?
再びしばらく進むと、正面に県道208号線と別れる道があります。そちらが岡部宿の入り口です。
岡部宿に到着
先ほどの分岐点に到着。ここが岡部宿の江戸見附です。看板があるんですが、よく見えませんでした。宿場は右の道へ。
謎のおっさん現る!
少し進むと突き当たりを左へ、そこに一小さな橋がかかっています。このあたりから見える風景が、浮世絵のモデルになった場所なんです。
撮影しやすい場所を探していると「キミは今ここで何を見ているのかね」と謎のおっさんから声をかけられました。
最初は、やベーおっさんが来た!と思ったんですが、話してみると、どうやらこの街を案内したいらしいんですよね。ただのヒマで親切なヤベーおっさんでした。
浮世絵 岡部宿
岡部宿の浮世絵は、宇津ノ山というタイトルで、この近辺の谷を行き交う人々を描いたと言われています。「場所は諸説あるらしいですね」と言ったところ、「ここに決まってるだろ。左の山に松があるのがここだという証拠だ」というんですよね。
やベーおっさんおすすめの場所から撮影。確かに左の山の上に松が見えますね。この松には有名な伝承があるそうです。
西行が東海道を旅していたとき、武士に絡まれて殴られてしまったそうです。その時、弟子の西住が我慢できなくなり武士と喧嘩をしたんだとか。それが原因で西住は破門されたんですが、西行を追ってひとり旅をする途中、この岡部でお亡くなりなったそうです。その時に辞世の句を詠んだ笠を松にかけたとのこと。
のちに西行がこの地を通った時に村人から弟子の死について教えられたそうです。
おっさんにその話を看板を元に説明されたんですが、「じゃあ昔からあるんですね」と尋ねると、「わしが植えた!」と言うんですよね。確かにオリジナルは枯れ、植え替えられているそうなんですが・・・どうも松の近くまで行けるらしく、案内すると言うんですが、先を急ぐ旅だと言って断ると、「どうしても見せたい風景があるから、そこだけでも来い」と言うのでついて行きました。
おっさんの案内で岡部をまわる
おっさんおすすめの岡部の街が見渡せるスポットです。おっさん曰く、「わしが木を切って見やすくした」らしいです。でも自分の街が一番美しく見えるスポットを持ってるって素敵だなと思いました。
次に案内されたのが、ここ柏屋さん。旅籠屋跡で、現在は郷土博物館になっています。やベーおっさんはここには顔パスで入れるらしく、中も案内するというんですが、丁重にお断りしました。ずっと先を急ぐって行ってるんですけどね。
その旅籠の隣が本陣跡。現在は公園のようなスペースになってました。ここで、やベーおっさんに京都まで行くことを伝えると「気をつけていけよ」と言ってくれ、ようやく解放してくれました。
丁寧にお礼を言ったあと、自転車の旅を再開しました。
岡部の町を進みます。旧東海道はキレイに整備されていて、走りやすいです。
そしてここが岡部宿の京方見附です。先ほどの本陣跡からそれなりに走ったので、やはり峠前の宿場は大きいですね。
親切でやベーおっさんのおかげで堪能できた岡部宿を後にし、次の宿場へと向かいます。
つづく
“東海道五十三次day5-③岡部宿から藤枝宿まで”
“東海道五十三次day5-①府中宿から鞠子宿まで”
“東海道五十三次day5まとめ・距離・時間・ルート・予算”
“東海道五十三次の旅「日本橋から京都」全行程まとめ!”