いよいよブロンプトン東海道五十三次の旅も3日目に突入です。
前日はゲストハウスの二段ベットですがぐっすり眠ることができて快適でした。そして今日は東海道最大の難所、箱根越えにチャンレンジです。振り返ってみるこの旅で一番辛かった一日でしたね。もう2度と行きたいくないかも。
ということで、箱根宿までの辛い登り、折り畳み自転車ブロンプトンでスタートです。
目次
- 1 ルート案内「19km地獄の箱根登山コース」
- 2 ゲストハウス前を出発
- 3 昨日のゴール、本陣跡へ
- 4 とりあえず腹ごしらえして出発
- 5 和洋折衷の明治建築
- 6 いよいよ箱根の上り坂へ
- 7 風祭の一里塚跡
- 8 旧街道と国道138号線を行ったり来たり
- 9 箱根湯本に到着
- 10 湯本茶屋の一里塚跡
- 11 ここらさらに上り坂がきつくなる
- 12 須雲川を渡たってからが箱根!登りの第一関門!
- 13 間の宿 畑宿に到着
- 14 畑宿の一里塚
- 15 ここで突然の雨!地獄の七曲り突破!
- 16 さらに登りは続く
- 17 甘酒茶屋に到着
- 18 芦ノ湖まで一気に下る
- 19 浮世絵 箱根宿
- 20 葭原久保の一里塚跡
- 21 箱根の関所に到着!
- 22 箱根の宿場町へ
ルート案内「19km地獄の箱根登山コース」

小田原宿から箱根宿の間は街道ではありません!17kmもある山道!
箱根駅伝で走る山の5区は、まだ楽な登山ルートで、旧東海道に近い県道732号線は地獄です。
まず箱根湯本まではブロンプトンで荷物を載せていても登れます。箱根湯本を過ぎてからだんだん坂道が厳しくなり、歩くことが多くなります。
コースを2/3ほどクリアしたところにある間の宿・畑宿を越えると、箱根が牙をむいてきます。7曲りという急峻な坂をくねくねと登り、さらに急坂が次々と。2度と行きたくないコースです。

ゲストハウス前を出発

プラムハウスというゲストハウスに宿泊していました。すごくキレイで快適だったのでオススメします。
昨日のゴール、本陣跡へ

昨日のゴール、小田原宿の本陣跡に到着しました。昨日は暗くてよくわからなかったんですが、奥は公園になっているようです。

公園の中には大きな石碑が。

明治天皇が江戸に向かった時の記念碑ですね。宿泊されたり休憩された宿場には必ずあります。これも旅の途中で気づきました。

さらに戻って小田原宿の江戸見附跡へ。こういう記念碑があったので、ブロンプトンとともに写真を一枚。

そして前日真っ暗でわからなかったかまぼこ通りへ。早朝なので、両サイドのかまぼこ屋さんはまだ営業していないようです。

小田原宿の様子です。非常に落ち着いた街で好感が持てます。

先を急ぎたかったのですが。一応ひと目見ておこうと思って、小田原城の近くまで行きました。小田原は街全体が要塞であり、北条時代は難攻不落の城だったそうです。天守をさくっと拝見して先へと急ぎます。
とりあえず腹ごしらえして出発

前日に地図を見ていて、1000mくらい登らないといけないことがわかっていたので、とりあえず腹ごしらえ。少しお腹にたまるおにぎりでエネルギー補給しました。

そして、いざ箱根越えに出発です。こちらの道が国道138号線。箱根湯本まではこの道沿いに進みます。

板橋見附跡、ここで小田原宿は終わりです。ここで大きな幹線道路から、一旦、脇道へと旧東海道は移ります。

こちらのクリーニング屋さんのところで国道138号線と分岐。新幹線の高架をくぐり、右手にある細い道を進みます。

高架をくぐると目の前は旧街道の街並み。さすがに3日目になると、走るだけで東海道っぽいとかわかるようになってきます。
和洋折衷の明治建築

大きな蔵のある旧家を発見しました。

内野家というお醤油屋さんを経営されていたお家だそうです。和洋折衷の明治時代を感じさせる住居を見学したかったんですが、まだ閉まってました。
いよいよ箱根の上り坂へ

しばらく進むと国道138号線に合流。徐々に本格的な上り坂になっていきます。

箱根登山鉄道と並走していきます。

道端のこれはなんでしょうお地蔵さん?軽く旅の無事をお祈りしていきます。

日蓮聖人がお寺をこの地に建てたという看板です。

少し進んだ後に国道138号線と別れ、脇の旧東海道へ。
風祭の一里塚跡

旧街道の脇にあるのが風祭の一里塚の跡です。手前にあるのが道祖神と言われるもので、小田原に300体ほどあるそうです。こちらは僕の専門外でよくわかりません・・・

道祖神の後ろにある一里塚看板の拡大写真です。
旧街道と国道138号線を行ったり来たり

長興山紹太寺という大きなお寺の入り口が見えてきました。三代将軍家光の乳母、春日局が眠るお寺だそうです。

このあたりは、箱根登山鉄道の踏切も渡ります。

そして再び国道138号線に合流です。

と思ったら再び脇の旧街道へ。

この旧街道からは少し登りがきついです。

そして再び国道138号線に合流。このあたりで上り坂がひと段落します。
箱根湯本に到着

しばらく進むと、目の前に箱根湯本の街が見えてきました。ここまでは非常に順調に進めていたので、安心していたのですが・・・

三枚橋という橋の上から撮影。江戸時代には中洲が二つあり、3つの橋がかかっていたそうです。ここから国道138号線を離れ、地獄の県道732号線に入ります。

箱根湯本からは、どんどん坂道が急になります。もうブロンプトンで登れるギリギリ。前のロードがうらやましいw

ちょっと落ちついたら登り、ちょっと落ちつたら登りという、まさに山登り。

近くに北条早雲の菩提寺、早雲寺がありました。ちらっと立ち寄って写真を一枚。

その近くにある立て札に正眼寺というお寺が。曽我兄弟にまつわるものがあるそうです。

その正眼寺がこちらですが、中に入る時間はなく、先を急ぎます。
湯本茶屋の一里塚跡

道端に再び道祖神が現れました。茶屋の道祖神らしいです。

その近くにあるのが、こちら。湯本茶屋の一里塚です。

一里塚の立て看板の拡大写真。特に何にも書いてないですね。
ここらさらに上り坂がきつくなる

右に降りていくと有名な箱根の石畳の道。ただ自転車で石畳は辛いので、ここは新しい道の方を進みました。

右側の登り道が石畳の道です。ここで再び旧街道が県道732号線と合流です。

元箱根まで9kmと書かれた看板が見えますが、それよりも坂がキツイ。ロードの人たちは漕いでますが、僕は歩き始めました。

箱根湯本の温泉街が下に見えます。だいぶん登ってきました。

そして道は、緑に囲まれた山道へ。

両サイドの温泉宿も、大規模なところではなく落ち着いた感じのお宿が並びます。

道の端には湧き水が湧いていました。ちょっと飲むのはやめましたが、汗だくの顔を洗って少しスッキリ。

そして温泉宿もなくなり本格的な山道へ。

山々の緑もかなり濃くなってきました。道が日陰になり涼しいのですが、坂がキツイ。

道端に咲く白い花が、目に鮮やかです。
須雲川を渡たってからが箱根!登りの第一関門!

登っていると一時的に道が綺麗になります。ICと書いているので高速道路との合流かなと思っていたのですが、地図を見ると国道1号線との合流でした。この区間1号線はバイパスで自転車は通れません。

そして目の前を流れる須雲川を渡ります。ここから嫌な予感はしていたんですよね。

目の前にくねくねと曲がる山道。めちゃくちゃ急坂です。

傾斜角度もかなりあります。荷物を積んだ自転車で登っているので、前の歩いている人も追い抜けません。

くねくね道を通過するとストレートな坂道に。ここが女転坂ということろらしいです。

立て札の説明によると昔女の人がこの坂道で落馬してお亡くなりになったそうです。ちょっと気を引き締めて行こうと思いました。

歩道もなく、横では自動車が結構なスピードですれ違います。轢かれないように道の端を歩きます。

割石坂という坂道です。曽我兄弟が刀のキレを試すために、道端の石を切ったらしいです。

ここでブロンプトンと記念撮影。

箱根の旧街道は、左手の道のように石畳でアップダウンを繰り返すんですが、自転車は通れないのでまっすぐ進みます。

川も大きな岩がゴロゴロする感じになってきました。
間の宿 畑宿に到着

ここで突然、山の中に町が現れます。間の宿、畑宿です。

先ほど別れた旧街道はここで合流して、畑宿の中へと続きます。

ここが本陣跡です。

ここにはすごく美しい庭があったらしく、幕末に日本へやってきたハリスなどが驚嘆したという話があるようです。

こちらは本陣跡の説明です。当時は大変栄えていたらしいですね。昔の人も箱根越えは難所の難所。途中のここで足が止まる人も多かったのかもしれません。

畑宿の街並みです。落ちついた静かな山間の里という感じでしょうか。

ここで東海道は再び山道へと突入します。自転車では通れないのですが、この先に現存する一里塚があるので、そこまでは行ってみました。
畑宿の一里塚

ここの一里塚は両方あるんですが、これは復元したものだそうです。ただ往時を思わせる風景はなかなか味わえませんので、僕は感動しました。

発掘調査をした後に復元したらしいです。文化財の保護はいじらないのが原則ですが、こういう自然な復元はやっていいんじゃないかと僕は思います。

ここでてっぺんを回ったので、昼食にしました。一里塚の近くにあるお店でとろろそば食べたんですが、超うまかったです。宿場で蕎麦屋が多いのは、多分疲れていても食べられる食事だったからですね。
ここで突然の雨!地獄の七曲り突破!

山の天気は変わりやすいとよく言いますが、昼食を食べ終わって外に出ると、いきなり雨が降ってきました。

今後の予定を考えると、ここで止まるわけにはいきません。ブロンプトンのバッグについているレインカバーを装着。いざ雨の中を前進です!

畑宿をすぎると再び道は険しい坂道に。ただこの辺りは歩道があるので、比較的安全です。正面に黄色い看板が見えるのが気になりますが・・・

箱根名物「七曲り!といういちばんの難所です。この雨の中、これはきついなと思いましたが、なんとしても箱根を今日は越えなければなりません。

道がちょっとした小川になってるですけど・・・しかも急坂。天気予報は、こんな雨になる予定じゃなかったような・・・

道を折り返すとまっすぐな道に。

そしてまたくねくねした坂を登ります。雨でこの道はきつい!

こんなところにバス停が。箱根の山道を断念した人が、このバスで救済されるんでしょうね。

ちょっと下を覗いてみました。さっき歩いてた道が下にある・・・この曲がり道を何回も行くの辛いなと思っていました。

すると目の前に階段が。歩行者はくねくね道をショートカットできるようです。坂を自転車で押しながら行くか、階段を登るか。選択に迷いましたが、ブロンプトンです。担いで階段を登りました。

またくねくねかと思うたびに、こういうショートカットの階段が。これがなかったら諦めてたかもしれません。

七曲りを突破!
まだ坂道は急ですが、とりあえず難所はクリアしたようです。登り切ったところに見晴らし茶屋というお店があります。いいこところにお店を構えてますね。

見晴らし茶屋のところに、この道を作った人の記念碑があります。その奥にあるのが、なぜか小沢征爾さんの碑。

ここでなんと雨が上がります。見晴らし茶屋というだけあって、絶景ですね。

したたり落ちる水しずく。一番の難所を最悪の天候で通過してました。
さらに登りは続く

そしてここからまた山道を登ります。まだ結構な坂道なんですが、感覚がマヒして楽に感じるように。

と油断させておいて、また目の前に黄色い看板が!

さっきのバス停で猿すべり坂って書いてたから、やばい予感してたんですよね。くねくね坂、再び出現です。

ただくねくねの数が少なかったので、比較的スムーズに登れました。というか体が慣れてしまいました。

そして少し坂が緩やかに、ようやくブロンプトンを漕ぐことができる傾斜です。

その横に追込坂という看板を発見。甘酒茶屋がこの先にあるのですが、そこまでの緩やかな坂の名前だそうです。

ここにも親鸞聖人の伝説のようなものが書かれてましたが、さすがに読む余裕がありませんが・・・
甘酒茶屋に到着

道路脇に藁葺き屋根のお店が見えてきました。ここが甘酒茶屋です。

箱根旧街道の休憩所と書かれています。今も昔も旅人の疲れを癒しているんですね。

こちらはオープンテラスになっていて、外でも食事ができそうです。

箱根宿と先ほど通過した畑宿の間にあるのがこの茶屋だそうです。昔は13軒ほど茶屋があったそうです。

お店に入ると、ずぶ濡れで到着した僕を見て、おばちゃんがストーブ前に案内してくれました。おばちゃんの優しさも、ストーブも超あったかかったです。

もちろん甘酒を注文。心と体が温まるとはまさにこのことかと実感しました。ほのかな糖分が疲れた体に染み渡ります。

横には囲炉裏もありましたがこちらはやってませんでした。

かけていた書は「箱根の山は天下の険!」登ってきた今なら思いますね、その通り!

一休みして外に出ると、道路が乾いてきていました。服もストーブで乾かしたし、いざ箱根宿へ再出発!

ちらっと道の脇を流れる川を見たのですが、かなり細くなってきています。もうだいぶん山の上にきたんですね。

箱根の旧道はこういう石畳の道なんですが、僕の方は自転車なのでそちらには行かず、アスファルトの道を進みます。

ようやく坂の終わりが見えてきました。あの向こうはきっと下りです。

少し下ったところに池がありました。江戸時代にお玉という10代の女の子が江戸の奉公先から伊豆へ帰ろうとして関所破りに失敗して処刑。その首をこの池で洗ったという伝説から名付けられたそうです。

伝説を知ると、美しい池の風景も少し物悲しく見えてきますね。

池を過ぎるとまた少し上り坂になりますが、ブロンプトンで十分登れます。
芦ノ湖まで一気に下る

そしていよいよ坂の終わりに。ここから箱根宿まで一気に降ります!

ここで県道732号線は国道1号線と合流です。降るのは楽でいいですね。

元箱根の入り口です。目の前に芦ノ湖が見えてきました。
浮世絵 箱根宿

ちなみに広重の浮世絵はこんな感じです。手前の大きな山は現実にはない山。湖の向こうの尖った山が駒ケ岳だそうです。

現在のポイントと言われているところは木が茂っていていい写真が取れなかったので、似たような構図の場所を見つけて撮影しました。

芦ノ湖にある港のそばまで降りてきました。でかい鳥居が見えます。

少し進むと街道脇にお地蔵さんが並んでいます。

説明文によると、宇治川の先陣争いで有名な梶原景季がここを通りかかった時に何者かに襲われたらしいのですが、傍にあった地蔵が身代わりになって助かった、という伝説があるそうです。

そして芦ノ湖の湖岸まで降りてみました。海賊船みたいな船がやってくるので、遊覧したいなと思いましたが、今日の目的地はここではないので先へと急ぎます。
葭原久保の一里塚跡

箱根の港から湖沿いに進んだところに一里塚の跡があります。ここも石碑が立っているだけですね。ちなみに横の細い道が旧東海道です。

ここで旧街道の美しい杉並木があると地図に書かれいてので、自転車では通れない旧街道に踏み入りました。それが上の写真。
当時の人々も箱根の関を目前にしてこの杉並木を通ったんでしょうね。

自転車は山道を進めないので、そのまま国道1号線を走ります。箱根の港と関所のあるところは少し離れているんですね。
箱根の関所に到着!

そしてようやく箱根関所の看板が!ここを右に曲がります。

坂を降っていった先に関所が見えてきました!こちらが江戸口の御門です。

関所の中に入ってみました。

中では関所の風景が再現されています。ゆっくり見たいなと思いましたが、観光している時間の余裕がありません。

そして箱根の関所、京口です。

ブロンプトンと記念撮影をしてみました。カバンにレインカバー付けっ放しでしたね。
箱根の宿場町へ

関所を抜けると箱根の宿場町です。土産物屋さんなどが並んでいます。

箱根といえばエヴァンゲリオン。ここのコラボはかなり長続きしていますね。

箱根補完マップだそうです。強羅絶対防衛線とか書いてるのかなとも思いましたが、写真をとって即出発です。

このあたりが箱根宿の真ん中くらい。本陣跡です。

現在は箱根ホテルが営業しています。

また箱根といえば、お正月の大学駅伝ですね。記念碑がゴールの近くにありました。

中心街を過ぎたところで、分かれ道に。旧街道は右側ですので、そちらへ進みます。

住宅街のこの辺りが箱根宿の京方見附跡です。そしてここからまた上り坂が始まり箱根峠の頂上へ。そして三島までの地獄の下り坂がスタートします。
つづく
“東海道五十三次day3-②箱根宿から三島宿まで”
“東海道五十三次day2-⑤大磯宿から小田原宿まで”
“東海道五十三次day3まとめ・距離・時間・ルート・予算”
“東海道五十三次の旅「日本橋から京都」全行程まとめ!”